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「じゃあね、のんちゃん。元気でね、時々遊びに来るよ」
のんちゃんといっくんの頭を撫でて寿さんに頭を下げて玄関を出ようとしたその時。
「りょーへー」
のんちゃんの手が俺のシャツを引っ張った。
「のんちゃんは、りょーへーと一緒がいい」
「え?」
「りょーへーと帰る! のんちゃんの家に帰る!」
くりくりの目が潤んでいた。
「のんちゃんは佐々木さんが大好きなのね」
寿さんの微笑みに、ごしごしと顔を擦ったのんちゃんは俺を見上げて。
「違う、りょーへーだ!」
「いっくんはババが大好きだ、後、ジェイムスも」
のんちゃんといっくんはお互いに顔を合わせて。
「いっくん、また遊びに来てもいい?」
「いっくんものんちゃん家に遊びに行ってもいい?」
小指を絡めて指切りげんまんを歌った後で、のんちゃんは俺と。
いっくんは寿さんと手を繋ぐ。
「じゃあ、また遊びに来ます」
寿さんといっくんは笑って見送ってくれた。
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