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二人だけの帰り道、のんちゃんはボソッと呟いた。
「いつかいっくんとも暮らせるといいな」
そうだね、と頷いた俺に。
「いっくんとのんちゃんは座敷ナントカだ」
突然の告白、そうだろうとは思ってた。
「でも知られるとまた閉じ込められるから内緒だ」
ああ、そうか。だから、のんちゃんはずっと否定してたのか。
「あと、5人いる」
「え?」
「のんちゃんの兄弟は、あと5人いるぞ」
「は?」
「7人集まれば、すごいことが起きるぞ、りょーへー! 探してくれ」
ちょ、待って!! 何そのドラ〇ンボールみたいな設定! すごいこと?!
目を潤ませたのんちゃんは、またビー玉を取り出そうとするから。
それを断り、のんちゃんの頭を撫でた。
「皆見つかるといいね。探すの、いっくんにも手伝ってもらおっか」
のんちゃんのちっちゃな手を握ると、なんとも言えない表情で俺を見上げて。
「りょーへー、だいすきだ、ぞ」
おそらくは照れた顔をしているのんちゃんに微笑んだ。
さあ、お家へ帰ろう。
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