小林日向のレポート

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小林日向のレポート

 うちには宇宙人がいる。  僕がそう断言するのには理由がある。  ある日突然現れたが、誰も違和感を抱いていない。当たり前のように受け入れている。きっと、宇宙人の記憶操作のせいだ。  真っ黒で白目のない目はどこか遠くを見ていて、まるで天井を突き抜けてどこか遠い星を捉えているようだ。視線で交信しているものと思われる。  言葉を発しているが、何を言っているかはよくわからない。たぶん宇宙語なのだと思う。その代わり、テレパシーを使って人間、主に母親を操っている。ここだけの話、母親は宇宙人の言いなりになってしまっている。宇宙人の要求に日夜問わず応対しているせいで、今日も寝不足だ。  このままでは、うちを乗っ取られてしまうかもしれない。僕には、この家を守る義務がある。僕は、この宇宙人(コードネーム:スカイ)に対して、いつでも行動できるように備えを怠らず…… 「日向(ひなた)青空(そら)のミルク持ってきてくれる?」 「うわっ、……わかった、今行く」  僕は急いでノートをしまい、リビングへ向かった。
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