出会い

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〜時は平安の春〜 「ふわぁ…」 眠くてあくびをしていた俺を見て一人の少女が言う 「ねぇ!一緒に遊ばない?」 「は?」 予想してなかった言葉に俺はそう答えることしかできなかった。 「お前……俺が誰かわかってんのか?」 俺は木から飛び降りて本当の姿を見せる。 先程の黒髪だった人間が白髪の狐耳の生えた妖へと変わる。 少女は少し驚いて 「妖だ!!」 と目を輝かせる 俺は飛びつこうとしてきた少女から離れる。 「お、お前俺が怖くないのか?」 俺がそう聞くと少女は 「全然怖くないよ!だってあなたは優しい妖さんだって分かるんだもん!」 またしても予想外のことを言う。 俺は思わず笑ってしまった 「お前……面白いな!」 少女は不思議そうにしていたが俺は構わず話を続ける 「俺の名前は…人間の姿ではりんねだ。」 自慢げに言う俺を見て少女は 「私の名前は杏子(あんこ)!よろしくね妖さん!」 笑顔で言う杏子。  杏子は俺の手をひいて 「追いかけっこしよ!」 と元気よく言う。 俺は杏子のことを追いかける、杏子はものすごく足が早くてなかなか追いつけない俺を見て 「杏子は捕まらないもん!」 と笑顔で言う。 「なら……これなら捕まるだろ!」 俺は瞬間移動をして杏子の前へ来て杏子を捕まえる。 俺が笑っていると、、 「捕まっちゃった!」 また笑顔で言う杏子。 俺と杏子はしばらく遊んで気がついたらもぅ日が暮れていた。 「私そろそろ帰らなきゃ……」 少し寂しそうに言う杏子 「また遊ぼうな杏子!」 杏子の前に座って言うと 「うん!絶対また遊ぼうね!」 杏子は俺の手を強く握る。 俺が驚いていると杏子は手を離して 「りんね!また明日遊ぼう!」 と元気よく言って自分の家へと向かう。 「また遊ぼうね……か」 俺はそう呟いて自分のいる世界へと戻る。 明日もあの木の下で杏子と会えることを楽しみにしながら明日が来るのを待っていた。
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