ウチにえみちゃんは居ます。

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健はえみ誘拐殺害の容疑で、その場で逮捕された。 2人は別々に収容された。 健は逮捕。 直美はそのまま保護された。 夫、健は取り調べで全てを話した——。 5年前。 捜索が終わった夜、健は家の中で隠されたえみを発見した。 その時、えみはもう息絶え絶えで、助からない事は直ぐに分かった。 やったのは、妻の直美だ。 全身には打撲痕があった。全身が、赤黒く腫れ上がっていた。 直美は元々精神疾患があり、軽い育児ノイローゼの症状があったが、そこまで健は気にしていなかった。それが、何かの拍子に虐待として爆発したのだろう。 捜索の後、直美は疲れ果てて眠っていた。 行方不明について嘘を言ってる感じはない。 多分、自分でも記憶を封印してしまっている。 健は考えた、考えている内に、えみが目を覚ました。 側で項垂れしゃがみこむ健に「……パパ。お水」そう言った。 健が水をコップに注ぎ、持って行くと、えみは既に息絶えていた。 その時間は4:32分 健はその後、床下にえみを隠した。 「えみの周りには、園芸用に買って置いた消石灰を撒きました。昔にテレビの刑事ドラマで、腐敗臭を防げると見た事があったのです。家を買って庭が出来たので、家庭菜園をしようと思ってました。その土壌調整ように買って置いて、忙しくて使えずにいた消石灰が変な所で役に立ちました。私は仕事一筋で趣味が無かったから、家庭菜園を趣味にして、家族で野菜なんかを育てられたら良いなと思ったんです」 「何の為にこんな事をしたんだ?」 「今、直美のお腹に子供がいます。えみの二の舞にはさせたくない。私を犯人として、捕まえててくれれば、直美は自分の犯行を思い出さないでしょう。出産は無事に終える事が出来る。そしたらそのまま、直美と子供を離してください。直美は自分がえみを殺したのを思い出せば、自暴自棄になりかねない。そうなったら、新しい子供もどうなるか分からない。えみはこの5年間で、どんどんおかしくなってしまった。洋館が在ってそこで成長したえみを見たと言ったが、仕事を休んでまで調べたがそんな洋館は無かった。そんな物どこにもない。あいつは幻覚を見たんです。」 「それなら、出産を終えてからでも良かったんじゃないのか? 出産してからでも、十分子供の安全は確保出来たろう?」 「俺がもう限界だったんですよ。ずっと別れたかったんですよ。でもきっと別れるなんて言ったら、死ぬの殺すの大変な事になる。そうずっと悩んでいました。このままでは、俺が直美を殺してしまいそうだ。だから、子供が出来たのを機に決行に移した。あの女にはもう関わりたくない。あえて、えみの死んだ4:32分に電話させたのも、あいつに対する小さな復讐ですよ?」 「何で、そんなリスクを冒す必要がある? あんたは奥さんに思い出させたく無いんだろう?」  「え? 絶対に気付く訳が無いですよ。あの時、あの女は爆睡してて、床下収納外して、床下掘って俺がえみが埋めてても、全く起きませんでしたからね? 朝までぐっすりですよ? 俺は娘を理由に有給を取りましたが、結局翌日も怪しまれないように捜索に加わったので、一睡も出来ませんでしたよ!」 「じゃあ何で、新しく子供作ったの?」 「そういうのは、また別でしょ?」 健は笑った。 「……お前が」 とそこまで言い掛けて、刑事は口を噤んだ。 終わり
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