ラストオーダー

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ラストオーダー

ラストオーダー前に お店で一番高いシャンパンを頼んだが シャンパンを持ってきたヘルプに一言 「俺はこういうやり方は好きじゃない。さっちゃんらしくない。」 と言われてしまった。 颯はあからさまにイラッとした表情だったが 「俺は好きだよ!ええやん!戦略や!」 と言ってくれた。 そして颯に 「ラストオーダーさ。フェイクで何か入れたら?フェイクで入れた後足元から出てきたらかっこいいじゃん!!」 と提案された。 お?面白そう!それもありか! と、私はその話に乗った。 ホストクラブでは、大体どこのお店にも 【オリジナルシャンパン】 というものがある。 お店のオリジナルでシャンパンの色によって 値段が変わってくる。 白、黒、ロゼあたりが一般的だと思う。 そしてこのお店では ラストオーダーに音楽が流れ 各卓に紙とペンが配られる。 音楽が終わるまでの間に 担当と相談し紙にオーダーを書く。 私は颯と相談して オリシャン白(シャンコなし) と記入した。 すると先程のヘルプが オリシャン白は売り切れてないから 別のにしてほしい。と言ってきた。 「黒はあるの?それなら黒でもいいよ。」 と、私は答えた。 ヘルプは ラストオーダーは終わってるから 値段同じのじゃないと困る 黒だと白より高くなるから。 と言うと颯がキレた。 「在庫がないのは店の都合だろ!こっちからさつきさんにお願いする立場なのにお前の言い方なんやねん!!!」 結局、オリシャン白と同じ値段の よくわからないシャンパンを入れた。 締め日のラストオーダーは 大体シャンコありでやる為 実質、一番最後にシャンコされた卓が 一番売り上げたと言う事になる。 蘭がNo.1で尚且つ 蘭のお客さんの中で一番でなければ ラストソング【ラスソン】 は隣で歌ってもらえない。 シャンコがVIPのお客さんでラストなら 蘭がNo.1という事になる。 私はシャンコなしにしたので ラスソンの勝負は最後までわからない。 しかも私と颯しかその事を知らない。 二人でドキドキしながらシャンコを待った。
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