出航

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出航

ラストオーダーが終わりシャンコが始まった。 まずは シャンコなしの私のシャンパンが マイクありで卓に運ばれてきた。 シャンコがないので 蘭はVIPから動かなかった。 その後、他の卓でのシャンコが続き 遂にVIPでのシャンコが始まった。 被りが何を入れたのかわからなかった私は 耳をすませて聞いていた。 「なんと!こちらのVIPのお客様より!高級シャンパンオリシャン黒と!ラーセンをいただきました!!」 ラーセン…。 船の形をした飾りボトルだ。 私はすぐにメニューを見て ラーセンとオリシャン黒の値段を確認した。 勝った…。 実はオリ白を入れてなかったら負けていた。 颯の機転で私は勝ち確定となった。 そしてVIPが最後のシャンコだった。 ほぼ、蘭のNo.1が確定したのだ。 私は涙が止まらなかった。 よかった!!勝てた!! が、しかし。 足元にシャンパンがある事など 知らない蘭は VIPからこちらへは来なかった。 私はLINEで 「飲み物ないからシャンパン開けるよ。」 と送ると 「今行くから待って!」 と返信が来て こちらの卓へ来てくれた。 蘭と私と颯でオリ白を開けて乾杯した。 そして 「あ、ごめん。忘れてたこれ。」 と、足元から 【ドン・ペリニヨンロゼ】 ピンドンを出した。 蘭は飛び跳ねて変な声を出した(笑) 「ええっ!!俺さつきさん怒ってるからお情けでオリ白入れてくれたんだと思ってた!」 そして続けて 「さつきさん。そのお酒はね。足元に置くようなお酒じゃないんだよwww」 ピンドンを見て 蘭も勝利を確信できたんだろう。 ようやくほっとした顔をしていた。
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