蘭が咲く

二度目の出稼ぎ

一度目を終え地元に戻った私は
歌舞伎町のホストからの連絡が増えた。
私は地元に本担(本命担当)
が居る事は伝えてあったが
そんな事はお構い無しで毎日連絡が来た。

お店にも行かない私に
毎日朝から晩までLINEをくれ
毎晩仕事終わりには電話がきた。
休みの日は友達とどこへ出かけるなど
時には写真付きで送られてきていた。

一度目の出稼ぎでは結構稼げた為
またリピートしようと思っていたが
吉原は寮がない為
ホテルが実費となってしまう。
それだけがネックだった。

そんな時、歌舞伎町のホストが言った。

｢出稼ぎの間うちに来る？俺一人暮らしだし全然泊まってくれてもいいよ。その代わり１回だけ指名してよ(笑)｣

１回で済むわけがないと思った私は
丁重にお断りしたが
本当にお店に来なくていいよ！と
何度も言われた私は
断りきれなくなってしまったのと
ホテル代が浮くのは正直
ありがたいなと思ってしまった。
毎日連絡をしていて
仲良くなっていた事もあり
一度だけお世話になる事にした。

もしこの時蘭にきちんと話していたら
絶対に止めていただろうな。

私は蘭には言わずに
その人の家にお世話になる事を決めた。

二度目も大体2週間くらいの予定で
東京へ行く事にした。
教えられた住所へ行くと
駅チカのオシャレな
オートロックのマンションだった。

到着したのは昼過ぎだったため
ホストは家で寝ていた。
部屋に入るととても整理された部屋で

｢16時に起こして。｣
と言うと彼はまた寝てしまった。

その頃SNSで
いろんなホス狂いの女の子と
仲良くなっていた私は
少しずつ自分がおかしくなっていた事に
当時は気づいていなかった。

蘭だけは気づいていたのだけれど…