新しい馬の乗り心地は

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新しい馬の乗り心地は

蘭に新たな強いお客さんが現れた。 蘭の昔のお店で私が魔王を入れた時に 箱のシャンパンを入れた女の子だった。 昔のよしみで 新しいお店では蘭指名になったそうだ。 ある日のシャンコで、蘭は 「松風だけじゃなく赤兎馬まで手に入れちゃいました!」 と言った。 No.1のエースとして 後ろを追いかけられるプレッシャー もう限界まで来ていたメンタル どんどん強くなっていく蘭 強い被りの出現…。 ある日の締め日、蘭からいつものように 「次回予告!さつき出撃!この次も〜サービスサービス!!」 と、LINEが。 今度はエヴァかよ…。 と、お店へ行くと赤兎馬ちゃんも 普通に座っていた。 私は不思議と敵対視をしたりはしなかった。 赤兎馬ちゃんはホストクラブでの 戦い方や遊び方など よく知っているようだった。 その頃、No.1は蘭だけが独走していて オーバーキルを嫌う蘭は 調整しながら売り上げをあげていた。 「今日はあと何もしなくていいからね。ラスソンまで待っててね。」 といった感じで 赤兎馬ちゃんと僅差で 私が一番使うように計算していてくれた。 そしてNo.発表は赤兎馬ちゃんの隣 ラスソンは私の隣で。 私はどんどん自分が惨めになっていた。 そんな私の変化に蘭は気づき 「さつきさん。そろそろ隠居してもいいよ?」 と、言ってきたのだ。 隠居と言っても これからも無理せず さつきさんなりに応援してね。 って意味だったんだと思う。 ところが私は もう私なんていらないんだ…。 と、捉えてしまったのだ。 そして何もかも嫌になってしまった。 気づけば前回の出稼ぎで 散々な目にあわせた歌舞伎町のホストに 寄りかかるようになっていった。 【本営】だとわかっているのに 付き合おうなんて言葉に騙され もう蘭は私なんかいらないんだと 自暴自棄になり 気づけば 歌舞伎町の沼にどっぷりハマっていた。
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