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歌舞伎町にハマった私には 売り掛け縛りという沼が待っていた。 【売り掛け】とはツケと同じで ホストクラブでは 何日までのを何日までに支払うなんてのも お店で決められているほど一般的で 大体のお客さんが 当たり前のように売り掛けをする。 私は蘭のお店で 売り掛けをした事がなかった。 歌舞伎町へ来て 初めて売り掛けをさせられた。 月初に高額な売り掛けをさせて 月末まで売り掛けで縛り付け そのお金を準備させる。 無駄にお金があると他店に行ってしまうので 売り掛けで縛る事でそれも防げる。 私は歌舞伎町に担当が二人いたが 本営ではない片方も 付き合おうと言い始めて 本当に歌舞伎町は沼だと思った。 そして色ボケした自分が 一番沼だとも感じていた。 そんな生活も数ヶ月もすると 疲れ切っていた。 蘭の所へ戻りたい。そう思っていた。 だが、本営をされていた私は なかなか歌舞伎町のホストからは 離れられずにいた。 【歌舞伎町】 は、本当に麻薬のような街だった。 一度入り込んだらなかなか抜け出せない。 だめだとわかっていながらも あの街に近づいてしまっていた。。。 そしてタイミングが良いのか悪いのか 新たにエースとなった赤兎馬ちゃんは それはそれはとても強くて 蘭の所へは戻るに戻れないでいた。 蘭の所へは前ほどではなかったが なんとなく顔を出して帰る。 お金があれば その日のラスソンを取りに行く。 そんな感じの日々が続いていた。 エースではないけれど 普通のお客さんよりも 少し使うくらいの感じだっただろうか。。。 毎日お金に追われる日々が続いていた 私の唯一の楽しみは動画配信サイトだった。
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