17.逆城の黄泉路 廃墟ホテルの噂

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 サラリーマンはオフ会メンバーには目もくれずにさっさとホテル入り口に向かう。その様子があまりにも自然な感じに不自然で、面白半分なオフ会のメンバーは付いていこう、趣味悪いよ、というやりとりがあった末にその2人が10メートルほど間をあけて男についていくことにした。  ところが20分ほどしてその2人は返ってきた。  話を聞くとサラリーマンはまっすぐ階段を7階までは登ったそうだ。8階は屋上になているが、屋上の扉は開けるとギィと音がする。そんな音は聞こえなかったから男が向かったのはおそらく7階で、けれどもどの部屋に入ったのかはわからなかった。  しばらくまってもウンともスンとも音はせず、部屋を片っ端から覗いてみたけれどももぬけの殻で誰もいなかった。それでどこかの部屋に入った時に入れ替わりに出てきたのかと思って返ってきた。  けれども他のメンバーは誰も出てくる者なんて見ていない。朝まで待ったけれども結局男は出てこなくって、そのまま行方不明。  これと似たような話がいくつかある。  だから最近、その廃墟ホテルには7階、つまり最上階に隠し部屋があるだろう、という噂がネットで騒がれていた。この間はラジオで不思議スポットとして紹介されたくらいだから、きっとその噂はかなり広まっているのだろう。  困ったな、というのが実感だ。そろそろ新しい場所を考えないといけないかもしれない。  この逆城という町には地獄に繋がる7つの道があるという噂が古くからある。そしてこの廃墟ホテルもその1つだ、と思う。思うというのはその道は一方通行で行く先がわからないからだ。
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