旋風の吹き始め

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ところが、声をかけようとすると避けられた。そればかりか、逃げるように図書室を出ていく。手には資料集を抱えたまま。 「そこの人、借りるならカードに記入を…………」 カウンターにいた図書委員が呼び止めようとしたけれど、聞こえなかったようだ。 僕は唖然とする他、為す術がなかった。目の前の現実がうまく飲み込めない。 ____彼女は、一体____。
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