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キツネとブタが、朝露の煌めく草原でくつろいでいた。今日はとっても、いい天気。
「今は俺らの時代だコン」
緑の葉っぱを空にかざしながら、キツネが口を開く。
「綺麗な女をナンパして『私、男だよ?』って言われて本当に男だったり『血も涙もないの。鉄の女よ』って言われて本当に機械だったり……まさしく俺らの時代だコンコン」
「化けて騙す時代ぶぅ。確かにキツネの時代ぶぅ」
ブタは寝転んだまま頷いた。
「そういう事じゃあないんだコン。俺とお前の時代だって言ってんだコンコン」
「ブタは化けないぶぅ。ありのままの我儘ボディで魅了するんだぶぅ。キツネの相方は、強いて言うならタヌキぶぅ」
ブタは、鼻をぶぅぶぅ言わせながら反論する。
「わかってないなぁコン」
「何がぶぅ?」
キツネは葉っぱでブタの鼻をぺちぺちしながら応えた。
「俺とお前で、混沌って意味だコン」
「コントンぶぅ?」
「そうだコン。混沌コンコン」
「コントンコンぶぅ?」
「コントンコンって何だコン。混沌コンコン」
「コントンコンぶぅ?」
「混沌コン」
「コントンぶぅ?」
「そうだ、やっとわかったかコン。混沌コンコン」
「コントンコンぶぅ?」
「おいおい、まだわからないのかコン? 混沌だって言ってんだコンコン」
「コントンぶぅ?」
「そうだコン。混沌コンコン。混沌コンコ……
2匹の会話は、何度も何度も繰り返される。
そうして、とうとう日が暮れた。
「コンコン、トントン痛そうぶぅ」
「俺は頭が痛いぞコン」
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