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 まどの外。雪がふってる。  つもるかな。つもってるのかな?  とびついてまどをあけると、外は真っ白にぬりつぶされてるみたいだった。うわぁ、すっごくつもってる!  ぼくは思いっきりまどから顔を出してあたりを見回してみた。ぼくの部屋は二階だけど、これだけつもってるんだもん、落ちたって平気だ。  まどから見えるけしきは、いつもとぜんぜんちがった。いつも見えているものが全部見えなくなっていて、真っ白な「さばく」みたい。  よぉし、とびおりちゃえ!  ぼくは、よいしょっとまどのわくに足をかけた。パジャマのまま、まどからとびおりるなんて、ぜったいママにおこられるなぁ。  でもあぶなくないし、こわくないし、ケガなんかしないから平気だもん!  二階からとびおりたら、学校でじまんできるし!  ぼくは、えいっとまどからとび出して、真っ白につもった新しい雪の中におちていった。  ずぼっ、と、ぼくの体の全部が雪にうまった。  あれ? こんなにつもっていたんだ。全部うまっちゃったら体じゅうしもやけになっちゃう。  ずぶずぶっと、どんどん深くうまっていく。まだ地面につかないのかなぁ。  上を見上げると、ぼくの体があけたあなの入り口がすごく遠くに見えた。ずいぶん深くうまっちゃってるぞ。それにまだまだ止まらない。  このままうまりつづけたらもどれなくなっちゃうかもしれない。今止まっても、あの高さまで登れないかもしれない。  あ、それに。  理科でならったんだ。地面をどんどん深くほっていったら、地球の中心は何千度もあるんだって。そんな温度の所に行ったら、ねっちゅうしょうになるかもしれない。雪の中にいるはずなのに、あつくなってきてるのは、もう地球の中心にきちゃったのかも。  どうしよう。いやだ。早くとまって! あつくならないで!  そう思ったら、きゅうに寒くなって、ぼくはどしんと何かにぶつかった。 「いたたたた……」  体をおこしたら、ぼくはベッドの下にいた。  うー、さむいなぁ。  まどの外。雪がふってる。  つもるかな。つもってるのかな?
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