184人が本棚に入れています
本棚に追加
ビデオ会議を終えたら、茶谷さんが目の前の席に座った。
「さっきの、危なかったですよ。茶谷さん映り込むとこでしたからね?」
「なんで?別に堂々としてりゃいいじゃん、どうせそのうちバレるぜ」
「そのうちバレるのと、衝撃的にバラすのとでは、世間の印象が違います」
「衝撃的にバラす方が、楽しそうだな」
「そんなのは嫌です」
私がちょっと怒っているのに気が付いたのか、茶谷さんはこちらを窺っていた。
「会社のやつにバレるのは、本気で嫌か?」
「嫌っていうか・・恥ずかしいじゃないですか、なんか」
「青木もお前も、割と周りにバレバレだったけど」
「とにかく、なんかほら、一緒に生活している感じが漂っちゃうのは・・相手も気まずいじゃないですか」
「そういうもんか?」
茶谷さんはそう言って私の使っていたマグカップを取り上げ、新しい飲みものを用意しに行ってくれた。
「そのマグカップ、可愛いですね。元カノさんが使ってたやつですか?」
「は?結婚式の引き出物でもらったやつだよ」
「・・へえー・・」
違った・・。全然あてが外れちゃった・・。変に勘ぐったりして恥ずかしい。引き出物って、そうかあ、茶谷さんの年齢にもなれば、友達の結婚式にも呼ばれるに違いない。
最初のコメントを投稿しよう!