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8-9.キミに捧ぐ
私と茶谷さんは、一番近い繁華街まで出掛けて行った。緊急事態宣言で外出なんて本当はしちゃいけないのだろう。でも、町には人もいたし、お店も営業している。
不要不急の外出は控えろと言われているけど、私にとってこれは緊急案件だった。
私は下着を2セット買うと、茶谷さんと一緒に部屋着を見ていた。
「茶谷さんて、どんな格好が好きですか?」
詳しく聞いたら、年末に着ていった服が好みだと言った。まさかの、加南の予想通りだった。
「ニットは・・身体のラインとか・・まあいいよな」
「ただのエロおやじじゃないですか」
「よかったな、草食系の彼氏じゃなくて」
「微妙・・」
そんな話をした後に、もこもこした部屋着を買おうとしたら、茶谷さんに嫌そうな顔で首を振られた。
「えー?何でですか?かわいいのに!」
「女のかわいいはホントに信用ならねえな。藍木を心から尊敬するわ」
「だって、もこもこしてていいじゃないですか」
「抱き心地悪そうだろ。感触伝わってこねーやつじゃん」
「はあああ??」
視点が常々いやらしくない?茶谷さん、本当にどういう神経してるんですか?私、とんでもない人を好きなってしまったような気がしてきた。
そして、茶谷さんの意見も軽くだけ採用して、部屋着は長袖のワンピースタイプになった。
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