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葬儀も終わり、慌ただしかった日々も少し落ち着きを見せ始めた
僕も父さんも仕事に復帰し、哀しみにくれない為にもあえて仕事に没頭した
「ただいま」
ヘトヘトになりながら帰宅した僕は、誰もいないと分かっているのに口にしてしまう
いつもなら返ってくる「おかえり」の声と怒涛の質問責めがない事で、現実に引き戻された気がして…言葉にできない虚無感に包まれる
「ただいま。帰ってきたで」
仏壇に向かってそう話すと
また涙が出てきてしまいそうになった
部屋の中は耳が痛くなるくらいに静かで
嗚呼…いつもこの家を明るくしてたのは母さんなんだなと
改めて思い知らされる
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