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「可哀想に…相手はわき見運転やったらしいよ」
葬儀の最中、そんな声が聞こえてきた
病院に運ばれた時は既に息を引き取っていた
お医者さんが言うには即死だったらしい
あんなに口うるさかった母が
ベッドの上で黙りこくってるその姿が
なんとも滑稽で可笑しくて
僕は自然と涙を流していた…
いつ車が飛び出してくるかわからんから気を付けなあかんよ
そうずっと僕に口を酸っぱくして言ってたくせに
まさか自分が車に轢かれるなんて、思ってもみなかっただろうな
「人にあんなに言ってたんだから…自分が気を付けえよ」
眠る母に泣きながら言ってやったら
後ろから父も「ホンマにな…」と小さく漏らした
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