フェイズ1:プライマリ

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 それは明らかにゲームのタイトル名だった。 「あなたには、今からこのゲームをしてもらいます」  男子17を連れてきた大人が、指で自身の眼鏡をくいと上げながら言う。  この大人は灰色のジャケットとタイトスカートを身に着けた女性17で、背中からは白い翼が生えていた。 「は、はい」  男子17は緊張しつつ返答する。彼は戦隊ヒーローの絵が描かれた半袖のシャツを着ており、無地の青い半ズボンを履いていた。  半ズボンから出た足はまだ成長しきっておらず短い。男子17が椅子に座ると、足と床の間に少しばかりの空間ができた。しかし彼は、足をぶらぶらと遊ばせることなくぴたりと宙に止めている。  男子17が足を動かさないのは緊張のせいもあるが、ここに来るまでに女性17から行儀よくするよう厳しくしつけられているためでもあった。彼は背筋をしゃんと伸ばし、ぴたりと閉じた足の上に両手を置いてじっとしていた。  行儀のいい子ども、いわゆるいい子でもゲームができるのは嬉しい。男子17は女性17の表情をちらちらとうかがいながら、コントローラーに手を伸ばせる時を今か今かと待っている。
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