「キミ」がいた

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「キミ」がいた

あの時、ワタシは あの時、ボクは キミに救われたんだ ワタシを助けてくれる人なんていない…そう思っていたの ボクが助けられる人なんていない…そう思っていたんだ あの時、キミが差し出してくれた手… あの時、キミが握り返してくれた手… 向けられた笑顔…それが、心を救ってくれた ワタシはヒロインではなかったみたい ボクはヒーローではなかったんだ ワタシは…ヒロインになりたかったのかな? ボクは…ヒーローになろうとしたのかな? 今なら、思えるの ワタシは「何に」なりたかったのか ボクは「何を」目指したのか 「ワタシ」は「ワタシ」になりたかった 「ボク」は「ボク」になりたかった それだけだったんだ 「アナタ」は…ワタシを受け入れてくれなかった 「アナタ」は…ボクを許してくれなかった ワタシに……… ボクに……… 誰かを求めて 求めた先でも満足はしない 求める事が………「目的」だった ねぇ……… ワタシが ボクが 「アナタ」の「瞳」の中にいたのなら それでも良かったと思えたのかな 「アナタ」にとって 「誰か」を求める相手は ワタシで ボクで ………良かったのかもしれない でもね……… ワタシが ボクが 求めたモノを与えてくれたのは 「アナタ」ではなかったの だから………ごめんね 「アナタ」とはさようなら 「ワタシ」になれる「ワタシ」を 「ボク」になれる「ボク」を 見つけてくれた 「キミ」に伝えたい 重なる視線 重なる言葉 それぞれの想いがこもる 二人で奏でる「ありがとう」
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