目撃

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あたしは慌ててその後を追い掛ける。 「ちょっと柊真……」 声をかけようとした途端、柊真が立ち止まったので危うくぶつかってしまいそうになった。 至近距離で柊真が振り向き、人差し指を唇にあてて「シー」と言った。 その仕草が可愛くて思わずキュンとする。 あたしはそっと柊真の横から顔を出してさっきの二人の様子を確認した。 ひと気のない校舎裏、今日は部活動も休みの日だから邪魔な声も届いてこない。 そんな中真っ赤な顔をしたクラスメートが大西さんになにか話している。 ボソボソと聞こえてくる断片的な言葉の中に「ひと目見て…」とか「すごくキレイで…」なんてものが聞こえてきて、聞いているこっちも恥ずかしくなってきてしまった。 「ねぇ、もうやめとこうよ」 これ以上ののぞき見は良くないと思い、あたしは柊真の腕を掴んだ。 その時だった……。 不意に大西さんが動いた。 身長が同じくらいの男子生徒に一歩近づき、唇を寄せたのだ。 え……? 思わず視線が釘付けになってしまった。 柊真の腕を掴んだまま動きを止める。
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