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ヒナはそう言いながらも自慢そうに鼻を鳴らす。
ほんの10日ほど前までは微かに二重あごになっていたヒナの顔が、今はほっそりとしている。
きっと、顔を中心にダイエットをしたのだろう。
顎周りが痩せたことで、ヒナの印象は大きく変わっていた。
「すごいじゃん! あれだけダイエットダイエットって言いながらお菓子食べてたのに!」
あたしの言葉にヒナは苦笑いをこぼした。
「おっしゃるとおり……。学校で友達と一緒にいると、ついついつまんじゃうんだよねぇ……。だけど家にいたら自分がひとりでセーブすればいいだけでしょ? だから春休み中に頑張るしかないって思ったの!」
そう言ってヒナは目を輝かせる。
春休み中にダラダラと過ごしてしまったあたしとは違うらしい。
ヒナが熱心に語る小顔体操に耳を傾けていると、次々と学生たちが教室へ入って来た。
そのほとんどが見知った顔だ。
1年生の頃別のクラスになった子でも、同じ普通科だから知らない子はほとんどいない。
「あ、遊星!」
ヒナの話を遮り、あたしは今教室へ入って来た男子生徒に声をかけた。
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