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阿住遊星(アズミ ユウセイ)。
ヒナと同じで1年生の頃から仲良しだ。
遊星は気だるそうに片手を上げて大きな欠伸をした。
いつもはツンツンに立ててセットしている髪の毛が、今日はダラリと垂れ下がっている。
本人も髪型も、なんだか今日はやる気がなさそうだ。
そんな遊星へ向けてヒナが小走りに近づいていった。
「おはよう遊星」
「おぉー」
挨拶の返事とは思えない返事をして、また欠伸。
「どうしたの遊星。昨日遊び過ぎたの?」
あたしはヒナの後ろから声をかけた。
遊星は大きく頷く。
「あったりまえだろ? 俺は遊ぶ星に生まれたんだからな」
遊星はそう言って胸を張り、また欠伸をして涙目になっている。
遊星はその名の通り遊ぶことが大好きで、アウトドアな遊びも、インドアな遊びも、ほとんど制覇している。
時々一緒に遊びに行くと、どうしてこんなお店を知っているんだろうと感じる、飲み屋なんかにも詳しかった。
「遊びもほどほどにしときなよ……?」
ヒナは本気で遊星のことを心配してそう言った。
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