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白い肌に長い手足を従えて、柊真はこちらへ視線を向けた。
視線がぶつかった瞬間、ドキッと心臓が大きく跳ねた。
柊真が歩くたびにサラサラの髪がなびき、頬に当たる。
「なんだよ、また一年お前らと一緒かよ」
悪態をつきながらも柊真は満面の笑みを浮かべている。
隣に立つと嫌らしくない、爽やかな香水の香りが漂って来た。
185センチはある長身を見上げると整った目鼻立ちがあたしの頭上に見えた。
笑うと白い歯が覗き、右側だけある八重歯がチャームポイントだった。
「よろしくな、心美」
柊真はあたしの肩に馴れ馴れしく自分の肘を置く。
急に近くなった距離にドキドキするが、あたしはどうにかときめきを隠した。
「もう、重たいからやめてよ~!」
大げさに嫌がってみせるが、決して柊真の体を引きはがさない。
そんなあたしを見てヒナは大きな声で笑ったのだった。
☆☆☆
あたし、相沢心美(アイザワ ココミ)とヒナと遊星と柊真の4人は1年生の頃から仲良しだ。
遊星が様々な遊び場に連れて行ってくれたり、ゲームを教えてくれるのでこの4人でいても飽きることはなかった。
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