決意

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雲一つない青天の下で、海上自衛隊が誇る音楽隊の演奏が鳴り響いていた。 群青色に染まる海上、岸壁にはこれから出国する護衛艦『ひゅうが』が停泊していた。 アデン湾における海賊対処の自衛隊派遣。 その派遣護衛艦『ひゅうが』に、俺の叔父である信幸おじさんが乗船する。 今から行われるのはその出国行事だ。 俺たち家族は信幸おじさんの家族と一緒に、見送りにきた。 軽快に鳴り響いていた演奏が止まった。 同時にこれから乗り込む200人余りの隊員たちが岸壁に整列し終えた。 俺の中では、自衛隊って筋肉マッチョであか抜けないというイメージだったけど、全然違った。 整列している海上自衛隊員たちは白い制服姿ですうっと立ち、顔つきは穏やかに勇ましかった。 その立ち姿は『スマート』って言葉が一番しっくりくるかな。 防衛大臣からの手紙が代理人によって読み上げられた。 やっぱ、国防の仕事だけあって、すごい人物から激励がくるんだな。 式典ではお堅い訓示が飛び交い、俺はだるくなる。 足元をうろつくアリの観察をしそうになったとき、遂にアナウンスが入った。
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