はじまり

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 歩いていると、身体が暖まってきて、少し汗ばんできた。 まだ春なのに、少しだけ熱気をはらんだ空気が、お昼にかけて暑くなることを物語っている。 『・・タイツ、薄い目のにすれば良かったかな・・』 そう思って、焦げ茶色のローファーの少し剥げている色を見てから、自分の両足を見ていた。 そうして、セミロングの少し脱色して茶色くしている髪の毛を、ライトブラウンのシュシュで後頭部にひとつに纏めた。 その時にふと、 『何か特別な事が起きないかな・・。』 なんて事を私は考えていた。 なにも変わらない日常。 なにも変わらない明日が来ると思っていた。 だって、都会に住んでいても、そこにいる皆が特別な生き方をしている訳じゃない。 だから、少しだけ変化が欲しいって思っていた。 でも、始まってみると、それは少しだけなんてものじゃなかったんだけどね・・。
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