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「マイおはよ~!」
と、後ろから声をかけられて振り向くと、私よりも髪の長いオシャレ女子のサヤカがそこにいた。
「あ!
サヤカ、おはよ~!」
そう言うと、小走りでやってきて、
「今日は暑くなりそうだね~!」
とそう言っていた。
エクステで彩った大きな両眼と、薄く化粧をしてややオレンジがかった赤のリップクリームが眼に飛び込んできた。
胸元の制服のリボンはなく、代わりにマリア様と思われる銀のネックレスがぶら下がっていた。
香水の香りは、今流行りのロゼ系のものだ。
「ほんとそうだね~。」
と、何気ない会話をして、ふたりで学校へと向かった。
それは、私の新しい毎日が始まる、彼と出会う少し前の出来事だった。
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