じゃがいもの心

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翌日、学校に行くと、教室がわいわいがやがやと騒がしい。 「どうしたの?」 「ああヨシカ! 知ってる? 3年の人がファミレスで自殺したんだって!?」 「え!?」 「なんか、毒飲んで死んだんだんだって」 「えっ!? そうなんだ。凄い人だね……。」 ヨシカは白々しくならない様に言った。多分あいつだ。 「でね……。その人が、なんか連続殺人の犯人だったみたいなの? まだニュースになってはないみたいだけど、警察が啓子の家に聞きに来たんだって」 「何で啓子なの? その人どんな人?」 「深山マイクって人で、虐められてて学校にはもう全然出て来てなかったみたい……。で、その虐めに啓子のお兄ちゃんも関わってたんだって、それでらしい」 「そうなんだ……。大変だね」 ヨシカはそう言って、自分の席に着く。 やっぱりあいつだ。マイクって本当に本名だったのか。忘れたくとも忘れられないインパクト。 でもさすが警察ね? もう自殺ではなく連続殺人だと疑ってたのか。 薬瓶を渡す所は防犯カメラの死角になってたし、もし私といるのがバレても、自殺を誘われたけど怖くなって逃げたとか言えばいいか。 顔はパーカーのフードで隠してたし。どうかな? まあ最後はセーフティネットがあるけど。 あの私で童貞卒業しようとしてた(童貞とは言って無かったが)じゃがいもが、まさか同じ中学だったなんて。 虐められて腹いせに無差別殺人を繰り返して、自殺。 あの時、じゃがいもに全てをおっ被せようと咄嗟に思いついた事だったけど、棚ぼたでしっくりくるストーリーが出来たわ。 まああの見た目だから、そんな風な人間なのは何となく察してたけどね。 これでバレなきゃ、私も人殺しは卒業しよう。 いくらセーフティネットがあっても、色々と面倒だからね。 そもそも、何で人を殺してたんだろ? 私。 ありがとうじゃがいも。 あんたは私の為に生まれて来たんだね。 成仏してね。 終わり
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