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「んー……実はちょっと翔が大変でさ」
「え」
よほど訝し気な様子に見えたのか、靴を脱ぎながら侑希があきらめたようにそっと息をついた。
「とりあえずほら、入って。で、上ね」
い……いいのかなあ?と迷いつつ、指で示されたとおりすぐ横の階段を上がる。
と――。
左右にドアが一つずつ。
さらに突き当たりにもう一つ、おそらく一回りも二回りも大きいだろうと思われる部屋――主寝室というのだろうか。おそらくご両親の……?――の大扉があった。
「こっち」
追い付いた侑希が馴れた様子で左側のドアを開いて入っていく。
どうやらそこが翔の部屋らしい。
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