1. 悪魔だったの!?(1)

15/27
前へ
/502ページ
次へ
「ご、ご家族は……?」 「一昨日から旅行だって。明日の夜まで誰も帰ってこないらしい」 「だ、だったら……よ、瑶子さん呼ぶべきじゃないのっ?」 「え?」  自ら口にしながらもチクリと胸が痛む。  が、そんなつまらない動揺や痛みに振り回されている場合ではない。  好きなヒトに、いつまでもこんな苦しい状態のままでいてほしくない。 「彼氏がこんな大変な状態ってわかったら、きっと瑶子さんだって……。だ……だからほら、電話っ」  心配でしょうがなくてすぐにでも駆けつけてくれるはず。  そんな誰でも考えつきそうなことを、なぜ彼は見逃してしまっているのだろう。
/502ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加