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あまり馴染みはないがそこそこ利用客も多い、とある駅。
楽しそうに先を行く親子連れの後に続いて改札を抜けると――
「あ、こっちこっち。柚。西野」
大げさではなく通りすぎる人すべてに振り返られながら、ラフな装いの爽やかイケメンがにこやかに待ち受けていた。
ものすごく気張って流行を追っているわけではなさそうなのに相変わらずキマってますね。今日はボーダーカットソーにさらりとボタンダウンシャツを羽織って黒のアンクルパンツですか。結局イケメンは何着ても似合っちゃうんですね……
――って、そうじゃなく。
「…………」
思わず足を止めて、彩香は微妙な表情で隣の親友を睨み上げた。
「ちょっと……柚葉――」
「ご……ごめんね。実は内緒でここまで彩香を連れてきてほしい、って侑くんが……」
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