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電車に乗ってしまってから突然「そ、そうだ……ちょっとだけ遠くまで行ってみようか……ねっ」などと言い出すし、そういえば車中でもほとんど目を合わせてくれないどころかずっと微妙な微笑みを浮かべ……そこはかとなく挙動不審な空気が漂っていたではないか。
心ゆくまでアイスにも付き合う、何ならお詫びの意味も込めて奢っちゃう、という甘いお誘いについつい目が眩んでしまった自分はなんというかもう――――本当にアホとしか言いようがない。
「…………どういうおつもりっスか、王子様? なんでこんな――騙して連れて来させるみたいな……」
ようやく光り輝く誰かさん(あーヤダヤダ……)の目の前まで歩を進め、ジトッと睨んでやる。
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