18.Trèsor――Ⅲ(5)

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 当時の衝動的な自傷行為を悔いている、というのは伝わってきた。  もうそんなバカなことをする心配もなさそうだ。  そこだけは翔もわずかにホッとした。 「もう死ぬ気なんてないしむしろ何でもしなきゃ……って、心から償わないといけなかったんだ、って気付いたけど…………」 (? 気付いたけど……?) 「足枷にしかなれてない自分にも、気が付いちゃった」 「――」  この上なく悲しい瞳をしたまま、いずみは笑った。 「本当はもう……自由になっていいのに。あたしなんて切り離して、どこへでも進んでいけるひとなのに」 
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