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「や、いずみさん……違うって」
「でも、もう……解放してあげなきゃね」
すべてあきらめたような眼をして、いっそ晴れやかに彼女は笑うが。
「や、いや……それじゃ駄目だ。そんなことアイツが望んでるわけない」
「あの二人が何かしでかさないうちに離れないと。これ以上迷惑かけちゃう前に」
「迷惑だなんて思うわけないって……! むしろ……」
お互い心の底からしっかり想い合ってるのに、そんな結論の出し方は違う。
自分も他の連中もみんなそれをわかっているのに、なぜいずみは――いや、なぜこの当人たちはわからないのだ。
決して軽くは見られない過去があったのはわかった。
が、それよりも――
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