18.Trèsor――Ⅲ(5)

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「や、いずみさん……違うって」 「でも、もう……解放してあげなきゃね」  すべてあきらめたような眼をして、いっそ晴れやかに彼女は笑うが。 「や、いや……それじゃ駄目だ。そんなことアイツが望んでるわけない」 「あの二人が何かしでかさないうちに離れないと。これ以上迷惑かけちゃう前に」 「迷惑だなんて思うわけないって……! むしろ……」  お互い心の底からしっかり想い合ってるのに、そんな結論の出し方は違う。  自分も他の連中もみんなそれをわかっているのに、なぜいずみは――いや、なぜこの当人たちはわからないのだ。  決して軽くは見られない過去があったのはわかった。  が、それよりも――
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