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「だって、すべてを奪っておいて愛してるなんて言えないもの」
「――」
素直な告白を聞けたのはよかったが……というより何でそれ本人に言わないんだ?などと物申したい気分になっているうちに。
「顔見ちゃうとずるずる離れられなくなりそうだし、ケンジだってますます気を遣ってくれちゃうだろうから、黙ってこのまま引っ越しちゃおうかな……」
しまいにはそんなとんでもないことを、いずみは言い出した。
「でもホント、翔くんのおかげで吹っ切れそう。いろいろありがとう。そしてごめんね? すっかり巻き込んじゃったね」
「や、そうじゃなくて……ダメだって! アイツはそんなこと望まない! 絶対!」
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