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言葉も交わさず、目も合わせない二人。
ある程度予想はしていたが……と翔は微かにため息をつく。
やはり取り巻く空気がどことなくおかしい。
おそらく、自分が悶々と悩んでここに来られずにいた昨日、一昨日もそうだったのだろう。
ホール中央から「っしゃー!」「うおおおおい!」と歓声が上がった。
いつもの特等席で、気の良いライダー仲間たち四人が各々手にしたスマホやタブレットで何かの対戦ゲームをしているらしい。
そして他に客はいない。
よかった、シチュエーションも時間帯も狙ったとおりだった、とあらためて胸をなでおろす。
と同時に再度カウンターへと目線を戻し、よしっ!と気を引き締めた。
これで心置きなく計画を実行できる。
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