19.Trèsor――Ⅲ(6)

4/19
前へ
/502ページ
次へ
 例のガラの悪い二人組のこともある。  いずみを完全に一人にしておくわけにはいかないため、以前のようにライダーたちに一緒に店番をしてもらえる状況を作り出す必要があったのだ。  ここからケンジを連れ出すために。 「ん?」  ホール中央席の熱い戦いに参加するでも、いつのもハイスツールに腰掛けるでもなく、真っすぐに向かってきてカウンター向こうに立ちはだかった翔に、何か用か?とばかりにケンジが瞬きした。 「突然だけど顔貸してくれ」 「……へ?」 「ジム連れてけ。そんで勝負しろ、俺と」 「おま……急に何」
/502ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加