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「腕だけで打つなっつってんだろ。腰使え、腰。回転」
「指導に入ってんじゃねえ、こんな時に!」
「おらおら顎も空いてんぞ。ガラ空きじゃねえか。打ちながらも守れー」
「!?」
どんだけ余裕なんだ!と思えばますますヒートアップする。
そもそも熟練者相手に、付け焼刃的な技術(……と呼べるほどのものでさえないが)しか持たないこんな素人が勝てるわけなどない。
わかってはいる。
だが、何もしないまま倒れる気は毛頭なかった。
とうてい勝ち目はなくともせめて……せめて一発だけでも当てに行く!
そんな思いで翔はこの勝負に臨んでいた。
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