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「い、行こうって……どこに――――っていうか、だ、だから思う存分柚葉とイチャつきなさいよ。別にこっちにまで気を遣わなくていいって!」
もうわかったよ(もとい、わからんが)、ここまで来たら逃げないから。せめてお邪魔虫にだけは成り下がりたくないのに!とは心の声。
「いや、そういうワケじゃないんだけど。なんか西野ってすぐ逃げそうで……。ああ、翔の気持ちがわかった気がするな」
「はああ?」
「いいからいいから。ちょっと急いでくれる?」
「えっ? ちょ、ちょっ……」
そうして。
ちょうど昼食時のにぎやかな駅前通りを二度ほど折れて南東方向に進み、閑静な住宅地に差しかかってもなぜか競歩状態で追い立てられること数分。
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