運命をください(後日談)

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「では、行ってきます!」 「…早よ、行け」 翌昼。元気ハツラツで会社に行った正義をベッドの上で見送った後、抑えきれない怒りから近くにある枕を殴った。 (あのっ、絶倫野郎!) 腰が、だるい! まだ尻の奥に挟まってる感覚が消えない。 泣きすぎて目は赤いし、喉も枯れ果てた。 「…」 そっと頸に手を回すと化膿しないように手当が施されていた。 「Ωじゃねぇんだぞ、俺は…」 ぽそっと呟いた言葉だが、そんなことは桜井も理解している。 これは、αのマーキング行為。ひとり外出中の譲に他の男達が近寄らないよう、牽制するのが目的だ。 『俺は譲さんしか いらない』 赤く蒸気した頬。はっきり逃がさないと執着心を濃くした、獰猛な目の色。でも体に触れるその手は酷く優しい。 それを間近で見てテンションが爆上がりした譲は、キツく中にあるものを締め付け、 『せき、ぎぃ…もっと、噛んでぇ…っ』 涙や汗でぐちゃぐちゃの顔でも、腕を回して強請るその姿。 この発言により一回が一回で終わることもなく、最後は呂律が回らなくなっていた。 (……死にたい) いやいやいやいや。俺もご無沙汰だったし、最近までは他のαで発散してたからちょっと余裕がなかっただけだ。 つまり今回はお互いが欲求不満で気持ちが昂っただけ。 (……が。このままじゃ、俺がヤバい) またしばらく出来ないと宣言していた。あの絶倫体力お化けに毎回付き合わされていたら、尻が壊されるどころかヤり殺される。 運命の一言なんかで、俺をくれてやるものか. 優先順位の一番は俺。 そこを覆す気など、さらさらないのだからー…
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