魔法を解いて!

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「なぁ知ってるか? 望木中(もぎちゅう)の近くに魔女が住んでるって!」 望木中は僕の学校のこと。ちなみにたぶん三人くらいで話してる。 「あー聞いたことはあるな。でも実際居んのかな」 「オレ見たことあるよ」 「『えっ!?』」 ……危ない。思わず僕も声上げちゃうところだった。 「うそうそ、どこで!? どんな感じ?」 僕も聞きたくて、変わんないんだろうけど耳を壁につけた。 「……みんなには言うなよ? 爪がこーーんなに長くて! 鼻がこーんなで、全身真っ黒! 通った時鈴みたいな音がして……。 でも、シワシワのオバサンだったよ」 うーん、絶妙にわからん! 「へぇ〜すげぇな〜、やっぱオバサンなんだ」 ケラケラと笑い声も聞こえる。それにしてもお喋り声のボリュームが大きいなぁ。 「バカ! お前らそんなこと言ってたら丸焼きにされて、食べられるぞ!」 「プッ、それはないだろ。体が操られんじゃないの?」 なんだか、雲行きが怪しくなってきた。 「違うちがう。言葉が喋れなくなるんだよ」 「お、それマジっぽい。さすが会っただけあるな」 「でしょ! ちなみに森の奥に住んでるらしいよ」 「え〜! コッワ!!」 僕はそれを聞いた瞬間、ハッとした。それと同時に体育館に「静かに〜!!」と先生の声が響いた。
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