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僕が読み終えると
「ふ~ん。ハッピーエンドなんだな」
「そうなんだよ。だけど子供心に
二人が仲直りして幸せになったのが
嬉しかったんだよ」
「お前、ケンカが嫌いだもんな」
「うん、そうだね。
そういうのも影響しているのかもしれないね」
「まぁそういうことにしといてやろうか。
それより急がないと喫茶店の開店時間が迫っているぞ」
僕は柱の古色蒼然とした掛け時計をみやった。
金ぴかの丸い振り子が左右に揺れている
その上の文字盤は、九時五十分を指していた。
「あ、いけない。
急がないと。
狐火、下へ降りるぞ」
僕は、ぱんぱんと誇りを払って
狐火に声をかけた。
「言わんこっちゃない。
早く早く」
僕は狐火に急かされて
急いで階段を降りようとした。
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