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「ノート持ってどうすんだよ」
そう狐火に言われて慌ててノートを
元の本棚へと戻した。
店のカウンターへ入り込む。
今日はどんなお客様がお見えになるかな?
窓を見やると陽射しが眩しい。
じぃちゃん、今日もいい天気だよ。
そしてこんな素敵な喫茶店を
僕に任せてくれてありがとう。
僕は心の中で祖父にそうつぶやいた。
狐火は、カウンターに置いてある
椅子にこしかけたイギリス紳士の人形に持たせている、
祖父の形見のパイプに潜り込んだ。
パイプから白い煙の輪っかが
ぽわんと一つ浮かび上がる。
十時
カランコロン・・・
お客様だ
「いらっしゃいませ」
僕はとびきりの笑顔で
挨拶をした。
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