番外編:木霊

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「叔父さん?」 「叔父さん?」 叔父はまたもやオウム返しをする。 ”そうなんだ。何故か山から帰る途中から おうむ返ししか言葉が出ないんだ” 叔父はそうスケッチブックに書くと 太い眉を八の字にして しょげた顔をした。 ”お前は昔から霊感みたいな物があっただろう お前と遊んでいた時、不思議な現象が起きたもんだ。 だから何か分かるかと思って尋ねたんだ” そう叔父は書いて頭を下げた。 (木霊だな) 狐火が僕だけに聞こえるように耳元で囁いた。 木霊・・・山に住む精霊で人の声をおうむ返しにする。 別名、山彦とも言う。 (山のどこかで祀られている木霊の洞を壊さなかったか聞いてみろ)
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