リコンシヨウ

6/10

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 当時はまだ私も働きに出ていて、お休みも合わず、お仕事で出張や泊まり込みのあるあなたとはなかなか時間が合わずいつもすれ違っていましたね。  振り返れば、付き合っていた頃のお食事やデートも、かなり無理をして時間を取ってくれていたのではないかと思います(あなたは疲労や寝不足など一切顔に出しませんでしたが)。  とにかく私たち二人は遠距離恋愛をしているわけでもないのに、好きな時に会うことができない、そんな関係でした。    同棲を始めてもなお、そんなすれ違いを繰り返していたある日、机の上に上等なノートが置かれていることに気が付きました。  私がノートについて尋ねると、あなたは照れ臭そうに笑って、「ここでたくさんお喋りをしよう」そう言ってくれました。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加