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うちに○原○晃がいます
それは突然やってきた。
今から数年前のある日。
私は自分のキャパを大幅に上回るでっかい穴を心のど真ん中に空けてしまった。
当時の私はそれを客観的に見る冷静さも持ち合わせておらずただただ無意識にその穴を埋めようとひたすら食べていたのであった。
当然みるみるうちに激太り。
隣のばあちゃんは会う度に両手を口に当て
目をひんむき、こう言った。
「そのおっぱい!!!!!本物なの!!??触らせてくれる?」
そう私の胸はメロンのように膨らみ脅威のGカップを叩き出していた。
おっぱいが歩いているといっても過言ではなかった。
そんなでぶりんの私がどでんと腰を下ろし
その時は何故か鏡の方をじっと見つめていたのだった。
そのときだった!!
パッと○原○晃!?が見えた。
!? え……ぇええええっ!!!!???
自分の目を疑ったが、いくら目を擦ってみてもほっぺたをひっぱたいてみてもそこに○原○晃がいるのだ。
嘘でしょ!!??私…こんなっ……!!!
慌てて自分の姿を確認する。
服は変わってない。
顔は!??
どうしても顔が見えない。
鏡で見る。○原○晃だ。
どの鏡もガラスも全てが○原○晃を映し出している。
半べそになりながらもどこか冷静に○原の服をみていた。
ん???あれ??私の服だ。え?でも?あれ?さっきはいかにも頭のてっぺんから爪先まで ザ・○・○・は・ら・○○○こうじゃなかった???
またもや何故かひどく冷静に私は言葉を発していた。
「あのぅ~すみません…。…初めまして。…○原さんですか??お会いできて光栄です…。」
と笑みを浮かべた途端クラッ…意識を失いそうになった。
な、なんと!!!○原さんが私の口で声で話しているではないか!?
こ、これは一体どういうことだ?!
○原さんが私の真似をしているのか??
そ、それとも…わ、わたしが…○原さんの顔になってしまったのか!??
っぎゃーーーー!!!!!どうしよ…。
本当にそうだとしたら…。私は…。
逮捕されるの??!いや、○原さんはすでに天に召されたわ。ホッ。よかった…。
じゃない!!!ってことは…逆にもっと……!!
はあぁ。どうしよ…。
私には家族がいない。友達もいない。
生きるには外に出ねばならない。
もし、もし、私が本当に○原さんの顔にすり替わっていたとしたら…。
ガバッ!!!汗だくの巨体がびくんっと大きく震えた。
「ハッ…ハァ…ハァ…。ゆ、ゆめかあ…。び、びっくりしたあ!変な汗かいちゃった!」
シャワーを浴びて途轍もなく腹の減った私は何とも清々しい気持ちで外に出た!
「わ!なんて美しい青空なの!」
思わず声が出ていた。
思いっきり伸びをして…。
その瞬間!!
漫画か?!と思うほどの目が飛び出るほどの目で顎が外れそうな口でフリーズしている男性を見てしまったのだ……。
おしまい。
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