謎解きクラブ!

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10 手 足首 9 蹴る ヨーグルト タコ 未確認飛行物体 意味のわからない8つの単語が並んだ後に、(半分にせよ)と指示が書いてある。 あとは (PS はじめんには分かるはず!)という文があるだけだ。 「うーん。タコ?ヨーグルト?」 その謎の言葉が並んだ大きな紙を前に佐倉はじめは小一時間頭を悩ませていた。 「半分、タコ、足・・・」 「はじめ?お風呂空いたよって聞こえた?」 ガチャっとドアを開けて姉の絢音が部屋に入ってきた。 「あ、ごめん。ありがと」 「あれ、まだ解いてるの?その謎解き」 「うん、何にもわかんないんだ」 「松岡くん?からの最後の問題だっけ」 「うん、一応ね。でも全然。なんの手がかりも掴めない」 はじめは手を頭にやった。 「くそー、悔しいなあ」 「ふふっ、どれどれ元クイズ研究部のお姉ちゃんが見てあげよう」 そう言いながら綾音が紙を覗き込んだ。 「うーん、タコ?ヨーグルト?手、足、半分・・」 はじめと同じように考え込む。 「あ、ていうかごめんね」 シンキングタイムにはいった綾音に、はじめは謝罪の言葉を述べた。 「ん?何が?」 「いや、謎解き研究部、結局潰れることになっちゃったから」 「ああ、そんなこと。まあしょうがないでしょ、元々潰れる予定だったんだし」 はじめが通う旭中学校の謎解き研究部(正確にいうと謎解き研究会)には部員が2人しかいなかった。5人以上しか部活として認められず、部費などが与えられていない同好会という形であるが同級生であるまっつんとともに2人で活動していたのだ。 そもそもというもの、はじめが入学する前の年、つまりは小学校6年生の頃に、3年生の部員が卒業することで廃部になりかけていた部活を、当時2年生で生徒会長を務めていた絢音が友人たちと一緒に兼部という形を取ることでなんとか継続させてくれたものだった。 はじめが入部した後、なんとか活動するために懸命に勧誘活動を行なったが、結局入部してくれたのは同じクラスで仲良くなったまっつんただ1人で、今年新一年生が入学してからも2人っきりでの活動が続いていたのだ。 しかし大事な相方であるそのまっつんが転校してしまったのだ。このまま来年を迎えると廃部は決定的だった。
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