フォーの聖所

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「おいおいマジか、アーチャーのお嬢さん」  黒いバンダナの男が、まいったな、というように右手を頭にあてた。 「でも本当に、メ・リフェ島まで行ってくれるのですね?」  その子はわたしの横をスルーして、男と近距離で向き合った。 「まあ、本気で支払えるって言うなら、そりゃ、こっちとしては断る理由はない」  おほん、と男がひとつ咳をした。アーチャーの女の子のビジュアルが、何だかとっても可憐なので、NPC的にもちょっぴり照れているようだ。このあたりのエモーション表現が、このゲーム、意外によくできている。 「しかし大金だぞ。マジで払えるのか?」 「はい。こちらに――」  アーチャーの少女が、指先で空中に何かを描く。所持品ウィンドウを開いているのだろう。(でも、彼女のウィンドウはわたしからは不可視。)
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