5人が本棚に入れています
本棚に追加
「おいおいマジか、アーチャーのお嬢さん」
黒いバンダナの男が、まいったな、というように右手を頭にあてた。
「でも本当に、メ・リフェ島まで行ってくれるのですね?」
その子はわたしの横をスルーして、男と近距離で向き合った。
「まあ、本気で支払えるって言うなら、そりゃ、こっちとしては断る理由はない」
おほん、と男がひとつ咳をした。アーチャーの女の子のビジュアルが、何だかとっても可憐なので、NPC的にもちょっぴり照れているようだ。このあたりのエモーション表現が、このゲーム、意外によくできている。
「しかし大金だぞ。マジで払えるのか?」
「はい。こちらに――」
アーチャーの少女が、指先で空中に何かを描く。所持品ウィンドウを開いているのだろう。(でも、彼女のウィンドウはわたしからは不可視。)
最初のコメントを投稿しよう!