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めぐりあう ~ウミ編~
目を覚ますと真っ暗だった。何の音もしない。ここはどこだ。ウミの頭はずっしりと重く響いた。微かに人の気配を感じる。そ~っと少しずつ身体を動かす。心臓がばくばくと音をたてる。聞こえてしまいそうな鼓動に焦る。
そのときだ!何かに上半身をがっしりと掴まれた。ぎゅっと締め付けてくる。それが耳元で息をする。ばくばくばく。二重奏を奏でますます大きく振動する。不思議だ。何分経っただろう。眠ってしまいそうになるのを何度も堪えた。
こんな風に何かとくっついているのは初めてだった。そうぼんやり思っているとその何かがいきなり動き出した。ウミは何かに身体を動かされたが力も入らぬまま委ねた。
ウミの顔に何かが迫ってきた。ウミは動かなかった。ぼんやりとしたまま何かのされるがままになっていた。何かの息が荒くなる度にウミのお腹の下の方がきゅーんと締めつける。ウミの息も荒くなっていた。
これはもしかして…神様でねぇのか?
ウミの胸は弾んだ。
そうだ。神様の瞳には卑しさなどないのだ。卑しいウミを包み込んで下さる。こんなことは人間にゃできね。神様なんだ…。
ウミはどこまでも広がる空を抱いているような気分になった。女になるんだ。ウミの胸は高鳴った。
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