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と、滑空するピックへ火柱が飛んできた。火柱はピックを捕まえた。ピックは火だるまになって魔法ランドの地表へと落ちていった。
「ピック!」と僕は思わず叫んだ。「何度もありがとう」
「おい、そんなこと言ってる場合じゃないだろう。すぐ後ろまであいつが来てるだろ」
「わかってる」僕は懸命に鳥を下降させていった。しかし、速度が乗らなかった。
「だめだ。重すぎて、旋回スピードが遅くなってる。リュックを捨てるんだ」と僕は叫んだ。
「やだね」とバルクが言った。「この中には宝物が入ってるんだ。こんなところまで来て、コンピューターをハッキングしてやっと隠し場所を見つけたんだ。捨てられるか」
「火竜に焼き殺されてもいいのか」
「だったら、お前が降りろ」そう言ってバルクは僕をいきなり横払いにして鳥の鞍から落とそうとした。僕はとっさに鳥の首にしがみついた。しかし、続く凄まじい力で僕は鞍から横へ引きずり下ろされた。鳥の首にぶら下がっている僕にバルクは手綱を握りしめがら、落ちろ、と叫んで、足で僕の肩を蹴っ飛ばした。僕は必死にしがみついた。
「しぶといガキだ」
と、手綱をつかんだバルクの背後へ巨大な三本の爪が迫ってきていた。僕は、あっ、と叫んだ。爪がバルクを胴体ごとつかんだ。バルクはあわてて手綱を離し、爪から抜けようとした。しかし、爪は、バルクを鞍から持ち上げていった。バルクは足をバタつかせながら、た、助けてくれー、と悲鳴を上げた。バルクッ、と叫んだけれども、バルクは空中へと持ち上げられていった。
獲物を捕らえた火竜は悠々と火口の方へ向かって飛んで行った。僕は、鳥の首から鞍へと這い上がって手綱を握った。僕は、旋回するパズルたちを追った。
「バルクはどうした」と僕の方を見てパズルが叫んだ。
僕は火口へ去っていく火竜を指さした。火竜の肢の爪にバルクが捕らわれていた。メガネをずらしてバルクは「宝物を見つけたぞ。これはおれのものだ。イッヒヒヒヒ、これでおれは大金持ちだ。絶対、誰にも渡さないからな」と誰もいないところに向かって機械的にしゃべっていた。
「狂ってる」とパズルが呟いた。
「うん……。魔法ランドのロボットみたいだ」
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